コスタリカは自分たちの3倍以上、14本のシュートを日本に浴びせられながらも耐えた。5バックで的確にスペースを消し、無失点で粘る。迎えた後半36分だった。吉田が自陣でつなごうとしたボールを収めたテヘダが素早くパスをつなぎ、フジェルが狙い澄まして左足を振った。 7失点の大敗を喫した初戦のスペイン戦はシュート0本。今大会で初めて枠内に飛んだボールはGK権田の手に当たったが、ゴールへ。「われわれは最悪でもないし最高でもないが、偉大なことができるチームだ」と殊勲のフジェル。仲間にもみくちゃにされ、喜びを爆発させた。 大陸間プレーオフを制して本戦に進んできたように、泥臭く守るのが身上のチーム。合言葉は現地の先住民の言葉で「アニィタ・ミキロナ」。意味は「最後まで一緒に戦う」だ。スアレス監督は「この勝利は戦略ではなく、コスタリカの原点に立ち返ったからだと思う」。土壇場で踏みとどまった。 (アルラヤン時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、先制ゴールを決めるコスタリカのフジェル(右から2人目)=27日、アルラヤン