今大会限りでの引退を決めていた入江が、有終の美を飾った。昨夏の東京五輪で金メダルに輝いた女子フェザー級を制覇。「幸せな9分間でした」。すがすがしい表情だった。 決勝の相手は日体大の後輩の吉沢。序盤はリーチの長さを生かし、左ジャブで動きを封じて優勢に進めた。3回には距離を詰めてきた吉沢に対し、足を止めて応戦。「最後はボクサーらしく、打ち合いで終わりたかった」。圧倒して5―0の判定勝ちを収めた。 大学卒業後は好きなカエルを研究するため、東京農工大の大学院に進む。「カエルにスポットライトが当たるように、精進したい」。笑顔でリングを去った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ボクシングの全日本選手権で女子フェザー級を制し、笑顔で取材に応じる入江聖奈=27日、東京・墨田区総合体育館