勝利を目前にしたブラジルにアクシデントが起きた。後半30分すぎ。ピッチ上に倒れたネイマールが起き上がってこない。右足首を痛めた背番号10はそのまま交代となり、ベンチで涙を流した。 チームドクターによれば、試合中に負傷し、その後も約11分間プレーを続けていた。患部は捻挫の症状が出ており、1~2日の経過観察が必要となった。試合後はアイシングをしながらゆっくりとした足取りで引き揚げた。チチ監督は「彼がW杯に出場し続けると信じている」と強い口調で繰り返したが、今後出場できるかどうかは不明だ。 ネイマールには嫌な記憶がよみがえっているだろう。8年前のブラジル大会では準々決勝のコロンビア戦で背後から激しいチャージを受けて脊椎を骨折。準決勝に出られず、チームもドイツに大敗した。前回ロシア大会は右足の手術明けで出場した。今季はパリ・サンジェルマンで好調を保ち、万全の状態でカタールに入っていただけに悔やまれる負傷となった。 この日は攻撃の起点となり、チームを引っ張るプレーを見せていた。「最後」と位置付ける大会に戻ってこられるか。 (ルサイル時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、ピッチに座り込むブラジルのネイマール(右端)=24日、ルサイル