ドイツ、スペインと同じ厳しいグループに入った日本は「総力戦」をカギに挙げていた。優勝4度を誇るドイツに対し、試合を決めたのは途中から出た堂安と浅野。歴史的勝利を導いたゴールには、それぞれの思いが乗っていた。 後半、布陣を4バックから3バックに変え、攻勢を強めた0―1の26分にピッチへ。その4分後。GKノイアーのはじいたボールが目の前に転がり、堂安は左足を振り抜いた。 「こぼれ球がなかなか転がってこない3、4年だった。トレーニングを積んできてよかった」。2019年1月のアジア杯以来のゴールは、貴重な同点ゴールになった。主力だった当時から立場は変わったが「(ベンチの)俺らが試合を決めると話していた」。 これに続いたのが浅野だった。板倉の縦パスに抜け出して放ったシュートは角度のない位置からノイアーの上を通り、ゴールに突き刺さった。得意のジャガーポーズを決め「狙ったわけではないが、思い切って打った結果があそこに行った」。口ぶりから興奮が伝わった。 浅野は前回ロシア大会のアジア予選で活躍しながら、最後に落選。そして、今回は9月に膝を痛める不運に見舞われたが、大会直前のカナダ戦で実戦に復帰。懸命なリハビリが実った。 W杯を目前に負傷者が相次いで心配された中で、日本が層の厚さを示した。浅野が「きょうの試合だけに関してはヒーローになれたかな」と言えば、堂安も「間違いなくチームを鼓舞する勝利になった」。偉業の立役者は、そろって胸を張った。(ドーハ時事)。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、競り合う堂安(左)とドイツのGKノイアー=23日、ドーハ 〔写真説明〕後半、ゴール前に攻め込む浅野(左)。そのままゴールを決める=23日、ドーハ