【ドーハ時事】中東初開催となるサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は、20日(日本時間21日未明)に開幕する。欧州がシーズン中の11~12月開催、1週間の短い準備期間、日程短縮―。出場32チームにとって前例のない未知の要素が多く、予測の難しい争いとなりそうだ。森保一監督率いる日本は強豪がそろった1次リーグE組を突破して、初の8強入りを目指す。  史上3チーム目の連覇が懸かるフランスは、暗雲が漂う。エムバペ、ベンゼマら前線の役者はそろうが、中盤のポグバ、カンテがけがで欠場。前回王者は3大会続けて1次リーグで姿を消しており、ジンクスとも闘う。  優勝候補の筆頭はブラジルか。ネイマールを中心とした創造性あふれる攻撃に加え、知将チチ監督によって守備の規律もきめ細かく整備されている。首位通過した南米予選は、17試合で40得点に対し失点はわずか5。数字からも隙のなさが分かる。  2002年日韓大会のブラジルを最後に、過去4大会は欧州勢が制覇。さらに4強入りした16チームを見ると、南米勢の3チーム以外は全て欧州。前回ロシア大会後に始まった欧州ネーションズリーグによってさらに代表強化は進み、勢力図は変わりそうにない。  日本と同じE組のフリック監督率いるドイツは、総合力が高く戦術も緻密。ブラジルの対抗馬に挙がる。共に首位通過なら準々決勝で激突。どちらかが2位なら決勝まで当たらない。  前回大会で4強のイングランドは成長を続け、攻撃の迫力が増した。日本の8強入りを阻んだベルギーも完成度は高い。準優勝のクロアチアは37歳モドリッチが健在。世代交代も進めたが守備に不安を残す。  南米選手権を制したアルゼンチンは、メッシ依存から脱却し組織力が備わった。国際Aマッチ36戦無敗と勢いもある。オランダは、名将ファンハール監督が3度目の就任をしてから復調し、上位争いに絡んできそうだ。アフリカ勢ではシセ監督率いるセネガルが面白いものの、エースのマネ欠場は痛い。  日本は、スペイン、コスタリカとも当たる。苦戦は必至だが世界を驚かせる躍進なるか。アジア勢は32チーム制となった1998年大会以降、1次リーグ突破は日本3度、韓国2度の計5度だけ。現行方式で最後となる今大会は、開催国カタールを含め最多6カ国が出場する。    ◇1次リーグ各組突破予想 ▽A組      ▽E組     カタール  ×  スペイン  ○ オランダ  ◎  ド イ ツ ◎ セネガル  ○  日  本  △ エクアドル ○  コスタリカ △ ▽B組      ▽F組     イングランド◎  ベルギー  ○ 米  国  ○  クロアチア ○ イ ラ ン ×  モロッコ  × ウェールズ ○  カ ナ ダ △ ▽C組      ▽G組     アルゼンチン◎  ブラジル  ◎ メキシコ  ○  ス イ ス ○ ポーランド ○  セルビア  △ サ ウ ジ ×  カメルーン △ ▽D組      ▽H組     フランス  ◎  ポルトガル ◎ デンマーク ◎  ウルグアイ ○ チュニジア ×  韓  国  △ 豪  州  ×  ガ ー ナ × (◎は濃厚、○は有力、△は微妙、 ×は厳しい。サウジはサウジアラビ ア、豪州はオーストラリア) (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕連覇を狙うフランスのエムバペ(左)=9月22日、フランス・サンドニ(AFP時事) 〔写真説明〕優勝候補ブラジルをけん引するネイマール(手前左)=9月23日、フランス・ルアーブル(AFP時事)
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 充実のブラジルが軸か=フランスは連覇へ暗雲―W杯サッカー・大会展望