【G組】ブラジル、スイス、セルビアは前回ロシア大会に続いて同組に入る。戦力と実績で頭一つ抜けているのはブラジルで、1位通過が確実視される。エースのネイマール、新星ビニシウスら個人技に長けたFW陣がそろうだけでなく、2大会連続で指揮を執るチチ監督の下、状況に応じて戦い方を選べる完成度の高いチームとなった。 注目は残り3チームの2位争い。前回決勝トーナメントに進んだスイスが有力か。守備が安定しており、得点力が伴えば突破は近づく。対抗は「ピクシー(妖精)」ことストイコビッチ監督が率いるセルビア。ブラホビッチ、A・ミトロビッチら質の高い攻撃陣が引っ張る。 両国には因縁がある。4年前の対戦で、スイスのジャカとシャキリが得点を決めた後、政治的パフォーマンスを行い、罰金処分を受けた。今回は最終戦で激突。どういう状況で試合を迎えるか。 カメルーンはDFの要としてワールドカップ(W杯)に4度出場したレジェンド、ソング監督が組織的な守備を構築した。攻撃は個人技頼みで、チュポモティング、アブバカルに懸かる期待は大きい。スイス、セルビア相手に2戦目まで勝ち点を積み上げられれば、8強入りした1990年イタリア大会以来の1次リーグ突破が見えてくる。 ◇H組、「2強」が激突 【H組】ポルトガルとウルグアイの1位争いが予想される。両国の激突は2試合目。初戦でポルトガルはガーナ、ウルグアイは韓国を下し、順当に勝ち点3を奪った上で注目の一戦に臨みたい。 ポルトガルは5度目の出場となる37歳のエース、ロナルドが躍進のカギ。フェルナンデスら世界的なスターと共に初優勝を狙う。ジョタの欠場は痛いが、チーム力は同組随一。前回大会の決勝トーナメント1回戦で競り負けたウルグアイに雪辱できれば、悲願に向けて波に乗れるだろう。 ウルグアイは35歳のスアレスを中心に経験豊富なベテランがチームを引っ張る。昨年就任したアロンソ監督は15年続いたタバレス体制を引き継ぎ、2トップを組むカバニらも健在。若手も台頭し、「2強対決」は激戦となりそうだ。 潜在能力を考えればガーナと韓国にも割って入るチャンスはある。ガーナはスペイン代表経験もある長身FWウィリアムスが、祖国の代表でプレーすることを決断。インパクトに欠けた前線に強力な武器が加わり、顔面骨折で手術を受けたエース孫興民が気がかりな韓国に比べれば勢いがある。 韓国はかつてJリーグでプレーした黄義助ら頼もしいアタッカー陣がそろうものの、孫興民の状態がチームの浮沈を左右することになるだろう。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕W杯1次リーグG組のキーマン。写真左からセルビアのA・ミトロビッチ、ブラジルのネイマール、スイスのシャキリ、カメルーンのチュポモティング(AFP時事) 〔写真説明〕W杯1次リーグH組のキーマン。写真左から韓国の孫興民、ポルトガルのロナルド、ウルグアイのスアレス、ガーナのウィリアムス(AFP時事)