【ドーハ時事】サッカーの欧州シーズンを中断して11~12月に開催されるワールドカップ(W杯)カタール大会。開幕約1週間前まで所属クラブの試合が組まれ、故障を抱えながら代表に選ばれた選手も多い。国際プロサッカー選手協会(FIFPro)は過密日程により、けがや精神的ストレスのリスクが高まっていると警鐘を鳴らす。 W杯は通例、欧州主要リーグの終了から約1カ月後の6月に開幕するが、今回は酷暑を避けるため異例の11月開幕に。W杯決勝の8日後にはイングランド・プレミアリーグが再開する。W杯前後の準備期間と回復期間が通常の4分の1ほどに短くなる選手が多く、FIFProは「選手の健康に不吉な脅威であり、最適なパフォーマンスを妨げる」と警告した。 昨年7月から今年10月の所属クラブや代表での合計出場時間は、W杯出場チームではポルトガルが最長で、ブラジル、メキシコの順だった。選手別では、オランダ代表DFファンダイク(リバプール)が7597分でトップ。セネガル代表FWマネ(バイエルン・ミュンヘン)、イングランド代表FWケーン(トットナム)らも7200分を上回った。 大会直前に右脚を負傷したマネは17日にW杯欠場が決定。連覇が懸かるフランスは主力の故障者が続出し、代表発表後もFWエンクンク(ライプチヒ)、DFキンペンベ(パリ・サンジェルマン)が離脱と負の連鎖が止まらない。日本も多くのけが人を抱える。 FIFProのコロシモ副事務総長は「多くの代表選手が、健康とパフォーマンスを適切に考慮しない過密日程により、精神と肉体の負担を強いられていることをデータが強調している」と訴え、改善を求めた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕オランダの守備の要、ファンダイク(手前右)=6月3日、ブリュッセル(AFP時事) 〔写真説明〕右脚を負傷しW杯欠場が決まったセネガルのマネ=9月24日、フランス・オルレアン(AFP時事)