2桁白星を挙げて大関復帰を目指す今場所。その初日、久々に厳しい攻めを披露した。御嶽海は明生を難なく下して上々の滑り出し。「いい相撲だった」と自賛した。 しっかり踏み込み、休まずに押し出した。光ったのは右からの力強い攻め。5月の夏場所で右肩を痛めたのが不振の一因にもなっていたが、「状態は先場所よりいい」。九州入り後に語った通り、不安は感じさせなかった。 1月の初場所で3度目の賜杯を抱き、念願の大関昇進を果たした後は苦しんだ。新大関だった3月の春場所こそ11勝を挙げたものの、夏場所からは勝ち越せない。 先場所は3日目の明生戦で土がつくと、ずるずると黒星を重ね、大関の座を手放した。失意の中で己を奮い立たせるため、過去の映像を見た。「勝っている自分はやっぱり格好いい。今は動けない代わりに何が必要かを考える」と、自らと向き合ってきた。 幕内上位で10番勝つのは容易ではない。「しっかり15日間、乗り越えていきたい」と心に期し、「自分の相撲を取れれば、場所が盛り上がる」と威勢のいい言葉も。明るい表情には、戻りつつある自信が垣間見えた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕明生(左)を攻める御嶽海=13日、福岡国際センター