アーチェリー女子で2012年ロンドン五輪団体銅メダルの早川漣(35)=デンソーソリューション=が、東京・夢の島公園アーチェリー場で22日に行われた全日本選手権予選で45位に終わり、決勝トーナメントに進めず敗退した。来年2月に男児を出産予定。この大会を最後に産休に入る。 昨年の東京五輪にも出場した実績からすれば不本意な結果だったはずだが、試合後は笑顔が絶えなかった。「2人で戦う経験はなかなかない。本当に楽しかった」。胎児におなかを蹴られながらのプレーで「子供も楽しいのかな。打っているとパーンと(蹴られた)。『今じゃないよ、ちょっと待って』って」。おなかに手をやりながら、柔和な表情を浮かべた。 アジア大会代表を4月の最終選考会で逃し、子供が欲しかったこともあって引退が頭をよぎった。妊娠が分かった時には「会社に迷惑かな」と思い、アーチェリーも会社も辞めるつもりだった。心配とは裏腹に、会社からは意思を尊重するとした上で産休、育休後の競技復帰を勧められた。 結婚や出産を機に引退を選ぶ選手は多い。「アーチェリーは選手寿命が長いのにもったいないと思っていた。子育てをしながらでも競技ができるというのを私が見せられれば、みんな続けてくれると思う」。後進に道を開くためにも、再び弓を取るつもりでいる。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕全日本選手権の女子リカーブ予選、的を狙う早川漣=22日、東京・夢の島公園アーチェリー場 〔写真説明〕ロンドン五輪のアーチェリー女子団体で銅メダルを獲得した日本チームの早川漣(中央)ら=2012年7月、ロンドン