わずかなほころびをセ・リーグ王者は見逃してくれなかった。オリックスは得意の継投に持ち込んだが、土壇場で逃げ切りに失敗。打線も六回以降は本塁が遠かった。 先発の山崎福は要所を締め、4回無失点。五回以降は回またぎで好投した山崎颯ら3投手がつないで八回まで零封したが、最後の最後に落とし穴が待っていた。3点リードの九回、5人目の阿部が同点3ランを浴び、目前に迫っていた白星はするりと逃げた。 今季のチームを支えてきたのは盤石な投手リレーだった。阿部を筆頭に山崎颯、宇田川ら若手も台頭。優勝を決めた試合も日本シリーズ進出を決めた試合も救援陣の奮闘があってのものだったが、大事な一戦で辛酸をなめる結果となった。 第1戦をエースの山本で落とした嫌な流れを断ち切ることはできなかった。それでもまだ反撃のチャンスは十分ある。満員の敵地で味わった屈辱は本拠地で晴らすしかない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9回、ヤクルトの代打・内山壮に同点3ランを打たれ、うつむくオリックスの阿部=23日、神宮 〔写真説明〕6回、ヤクルトのサンタナを三振に仕留め、ベンチに戻るオリックス2番手の山崎颯=23日、神宮 〔写真説明〕力投するオリックス3番手の宇田川=23日、神宮