オリックスはエース山本の存在が心強い。6月に無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)を達成するなど15勝を挙げた。昨年の日本シリーズは2試合に登板し計15回で2失点と好投したが、勝ち星はつかなかった。「去年の悔しさを晴らせるように全力で腕を振りたい」と闘志を燃やす。他にも宮城、田嶋の両左腕ら先発陣に計算が立つ投手が多い。 昨季と顔触れが大きく変わった救援陣も、150キロ台後半の直球を投げ込む山崎颯、宇田川の同学年コンビや阿部、ワゲスパックら層は厚い。先発が早めに降板した場合でも、長いイニングをつなげる力がある。 対するヤクルトは先発が試合をつくり、逃げ切る形に持ち込みたい。先発陣は奥川が不在なのは痛いが、クライマックスシリーズ(CS)で好投した小川やサイスニード、昨年の日本シリーズ第2戦で完封した高橋に期待がかかる。ドラフト1位左腕、山下は先発機会があるか。 救援陣は昨年の日本一にも貢献した清水、マクガフが盤石。新顔は2年目の木沢だ。接戦の場面や回またぎでの登板など幅広い起用に応え、チーム最多タイの9勝を挙げた。 両チームともにシーズン中は救援の3連投がほとんどなかったが、ヤクルトは清水がCSで3連投。高津監督は「短期決戦ではいつも通りじゃないところが必ず出てくる」と総力戦で臨む構え。両監督の起用法にも注目が集まりそうだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ノーヒットノーランを達成し、捕手の若月(左)と喜ぶオリックスの山本=6月18日、ベルーナドーム 〔写真説明〕DeNA戦で力投するヤクルトの木沢=9月12日、横浜