11月に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会。良きライバルでもある盟友関係で注目される選手たちを採り上げる。 ◇名門でも競い合う 復権を目指す王国ブラジルの新たなスターとして呼び声が高いのが、ビニシウス(22)とロドリゴ(21)の両FW。共に10代にしてA代表に名を連ね、スペインの名門レアル・マドリードでも同僚として競い合う関係だ。 昨季、Rマドリードの14度目となる欧州チャンピオンズリーグ(CL)制覇は、両者の奮闘があってこそだった。マンチェスター・シティーとの準決勝第2戦ではロドリゴが2ゴールを奪い、決勝のリバプール戦ではビニシウスが決勝点。イングランド勢連破の立役者となり、大舞台でも力を発揮できることを示した。 ビニシウスは左サイド、ロドリゴは右サイドが主戦場で、ともに縦への突破力が光る。ロドリゴがビニシウスについて、「彼はとてもいい友人で、互いに理解し合えている」と言うように、息の合ったプレーも強み。元ブラジル代表主将のカフー氏は、スペイン紙に「2人は歴史的な偉業を成し遂げる可能性がある」と期待を口にしている。 これまで攻撃の中心を担ってきたネイマール(パリ・サンジェルマン)の負担も軽減されることになりそうで、ブラジルのチチ監督は「若手の台頭はネイマールにとって良いことだ」とロイター通信に述べた。30歳となったエースは今大会が最後のW杯となる見通し。若き左右の矢は、セレソン(ブラジル代表)の未来を明るく照らせるだろうか。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕名門レアル・マドリードでも同僚として競い合うビニシウス(中央)とロドリゴ(左)=2021年12月4日、スペイン・サンセバスチャン(AFP時事)