今季は救援陣に多くの若手が台頭し、25年ぶりのリーグ優勝を果たした昨季とは顔ぶれががらりと変わった。その中でも終盤に印象的な活躍を見せたのが24歳の山崎颯と23歳の宇田川だ。 開幕ローテーションの一角だった山崎颯は、未勝利のまま4月25日に登録抹消された。中嶋監督は「短いイニングを思い切っていかせた方が良くなるのでは」と救援に配置転換。課題だった制球面で進境を見せ、9月20日のロッテ戦では同監督の就任後初となる3連投を任されるまでになった。 宇田川は7月下旬に支配下登録された右腕。150キロ台後半の直球を武器に存在感を示し、「こんなにすぐ難しい場面で投げさせてもらえるとは」。重圧がかかった場面で何度もチームを救った。 若手が活躍できた理由を、兼任コーチの能見は「(ベンチの采配に)選手ファーストを感じる。試合の中で選手をどう生かせるかが第一にある」とチーム環境を指摘した。 ベテランの比嘉、平野佳の存在も好影響。以前は決め球にのみフォークを使っていたという宇田川は「平野さんの投球を見て、フォークをカウント球としても使えるんだと分かり、幅が広がった」と言えば、2年目の阿部は「比嘉さん、平野さんがうまくコミュニケーションを取ってくれる分、いい環境でやらせてもらっている」と感謝する。 野手にも今後が楽しみな若手が多くいるオリックス。若手と中堅、そしてベテランの融合でつかんだ連覇は、黄金期の到来を予感させるものとなった。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕力投するオリックスの山崎颯=3月27日、ベルーナドーム 〔写真説明〕力投するオリックスの宇田川=9月13日、楽天生命パーク