八村塁が所属する米プロバスケットボール協会(NBA)のウィザーズで、日本人の新川諒さん(35)がマーケティングマネジャーとして活躍している。チームのツイッター、インスタグラムの日本語公式アカウントで、発信コンテンツを作成。「興味を持つ人を一人でも増やす」ことを目的に独自の発信を続けている。 新川さんは、八村が入団した翌年の2020年2月にスタッフとなった。インターネット交流サイト(SNS)運営では、英語の内容に日本語の字幕をつけるだけでなく、切り口を工夫して提供することを心掛けている。 最近ではチームを応援するデザイナーにグラフィック制作を依頼し、似顔絵を見た選手の反響も伝えた。本拠地で子供が先発メンバーを紹介する「キッズデー」では、八村の故郷の富山県に住んでいる女の子にアナウンスしてもらった動画を使った。富山から八村に縁のある人の声を届けたり、Bリーグのチームとマスコットでの共演に取り組んだり。「一つでも多くつくっていくことで、このチームは日本のことを本当に考えている(と思ってもらえる)というのはあるのかな」と話す。 大阪府生まれで、幼少期を米国で過ごした新川さんは米英の大学で学び、大好きな米スポーツ界に身を投じた。大リーグで岡島秀樹、西岡剛、藤川球児らの通訳を務めた経験から、「マニュアルがないのは似ている。雰囲気や空気感を感じて何が正解かを求めていかないといけない」と言う。 スポーツ界の仕事は選手、チーム、代理人、ファン、スポンサー、メディアなど関わる対象が幅広い。「いろんな方と触れ合って企画をつくり、日本の人たちにも、少しでも近い存在になれたら」と将来を描いている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ウィザーズ・マーケティングマネジャーの新川諒さん=9月30日、さいたまスーパーアリーナ