ヤクルトがチーム一丸となり、劇的なサヨナラ勝ちで優勝を決めた。本拠地の神宮でDeNAとの直接対決を制しての戴冠。選手らはグラウンドで抱き合って至福の時間を味わった。 緊迫した投手戦。小川は球数がかさみながらも粘り強く6回無失点と好投。「とにかく攻めていくということを中村と話して投げた」。石山、清水、マクガフとつないで零封した。 苦しい展開を耐え抜いて九回、決着の時は訪れた。1死二塁の好機で、ドラフト2位新人の丸山和に打順が回った。エスコバーの2球目を捉え、優勝を決める二塁打を放った。 オフに大きな補強はなかったものの、既存戦力が成長した。日本選手最多に並ぶ55本塁打を放った村上を筆頭に、自己最多の8勝を挙げた高橋、遊撃でレギュラーをつかんだ長岡も躍進。塩見や山崎も本塁打や盗塁などでキャリアハイをマークするなど、個々の上積みが大きかった。丸山和の殊勲打も、若手を積極的に起用するヤクルトらしさを象徴するようだった。 高津監督は抑え投手として、1993年の連覇を経験した。「受け継いできたものは、伸び伸びプレーすること、勉強すること。アップデートしていくことは、一歩先をいくこと」。チームの黄金期を知る名将が、新時代を切り開いた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9回、サヨナラ二塁打を放ち、ガッツポーズするヤクルトの丸山和=25日、神宮