【ロンドン時事】男子テニスで四大大会シングルス通算20度優勝のロジャー・フェデラー(41)=スイス=が23日、ロンドンで開幕したレーバー・カップのダブルスで現役最後の試合に臨んだ。同22度制覇で長年のライバルだったラファエル・ナダル(スペイン)と組んでプレー。「完璧な旅だった。もう一度、全てをやりたい」と大粒の涙を流して語った。 妻と家族が見守る中、欧州選抜の一員として世界選抜のジャック・ソック、フランシス・ティアフォー組(米国)と対戦。巧みなボレーや鋭いサーブで沸かせ、ネットの隅の穴を通す「スーパーショット」も披露。惜敗したが、花道でも美しいテニスで魅了した。 近年は膝の故障に苦しみ、今夏に引退を決断。試合後は総立ちの観客から喝采と「ロジャー」コールを浴びた。自身と共に「ビッグ4」と呼ばれたナダル、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マリー(英国)と抱擁を交わした。 「私は幸せだ、悲しくない、とみんなには言った。素晴らしい一日だった」。鳴りやまない拍手に包まれながら、ウィンブルドン選手権を男子で最多の8度制した「芝の王者」がコートを去った。 ◇今夜は忘れられない ラファエル・ナダル 素晴らしい瞬間だった。全てが特別だった。今夜は忘れられないものになった。ロジャー(フェデラー)は、私の人生の重要な瞬間に隣や前にいてくれた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕男子テニスのレーバー・カップ、ダブルスで現役最後の試合を終えて仲間に祝福されるフェデラー(中央)=24日、ロンドン(AFP時事) 〔写真説明〕男子テニスのレーバー・カップで、ナダル(右)とダブルスを組んだフェデラー=23日、ロンドン(AFP時事)