10月に開幕するバレーボールのVリーグ1部男子に新チームの「東京グレートベアーズ」が参戦する。5月末で活動休止となったFC東京を消費財メーカーのネイチャーラボ(東京都渋谷区)が譲り受ける形で誕生。運営会社の久保田健司代表は「選手、フロントが一体となってリーグを必ずかき回す」と宣言した。 FC東京の活動休止が発表されたのはシーズン中の昨年12月。元日本代表リベロの古賀太一郎は左アキレスけんを負傷した直後に悲報を聞いた。「何が正解か分からないまま突き進まないといけなかった」と振り返る。 当時は海外でプレーしていた野瀬将平らが古巣の窮地を救うため、受け入れ先探しに奔走。その熱意がネイチャーラボを動かした。同社はスポーツ選手やチームをスポンサーとして支援したことがなく、久保田氏は「2段ぐらい飛び越えた感じ」。それでも、挑戦を後押しする企業風土を背景に、国内におけるバレーボールの根強い人気なども踏まえて決断した。 全選手がプロ契約を結ぶ。これはVリーグでは異例だ。プレーだけでなく、インターネット交流サイト(SNS)での発信など収益を意識して活動することを求めている。東京を本拠地とする地の利も生かして、東京体育館など国際大会でも使われる会場でホームゲームを開催し、集客につなげたい考えもある。 チーム消滅の危機を乗り越え、再出発する選手の団結力は高まった。「いろんな責任が出てくると思うが、ポジティブなマインドで取り組むチームにしていきたい」と主将の古賀。感謝の思いを結果で体現できるか。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ユニホームをお披露目した東京グレートベアーズの選手ら=8日、東京都目黒区