ベルギーがカタールでどこまで上に行けるか、彼に懸かっていると言っても過言ではないだろう。3度目のワールドカップ(W杯)出場となるMFケビン・デブルイネ。威力十分のシュートもさることながら、状況判断能力とパスの精度の高さは世界屈指。「赤い悪魔」に不可欠のゲームメーカーだ。 前回ロシア大会の決勝トーナメント1回戦で、日本が涙をのんだラストプレーのカウンター攻撃。CKのボールをキャッチしたGKクルトワからボールを受け、中盤まで運んで決勝点の起点になったのがデブルイネだった。準々決勝のブラジル戦でも2点目を決めるなど、ベルギーを過去最高の3位へと導いた。 所属するマンチェスター・シティー(イングランド)の名将グアルディオラ監督に「私が見てきた中で最高の選手の一人」と言わしめる。2019~20年シーズンは13得点を挙げつつ、元フランス代表のレジェンド、ティエリ・アンリが持っていたプレミアリーグ記録に並ぶシーズン20アシストをマーク。直近は2季連続でリーグ優勝に貢献した。6月に31歳になったが、老け込む気配は全くない。 ベルギーの黄金世代で、一緒に強力な前線を形成してきたルカク、E・アザールも30歳前後になり、全盛期を過ぎたとの指摘もある。どの程度メンバー入りするか不透明な若手を含めて、デブルイネが周囲をどれだけ生かせるかは、命運を大きく左右しそうだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕前回ロシア大会の3位を上回る好成績を目指すベルギーの支柱、デブルイネ=6月8日、ブリュッセル(AFP時事)