土俵際から一気に息を吹き返した。オリックスが延長サヨナラ勝ちでソフトバンクとの最後の直接対決となる3連戦に3連勝。ゲーム差なしまで迫り、中嶋監督は「誰一人諦めていなかった。本当によく頑張った」と選手をたたえた。 敗色濃厚の雰囲気を一掃したのは吉田正だった。1点を追う九回2死一、二塁でマウンドには防御率0点台のモイネロ。積極的に初球を捉えた打球は、右前に落ちる同点打に。「僕もしびれた。いいところに飛んでくれた」と喜んだ。この日は一回の先制2ランなど計4打点を挙げ、打線をけん引した。 試合を決めたのは宗。四回に自身のミスが絡んで3点を失い、九回は送りバントを失敗するなどいいところがなかった。そんな状況で巡ってきた十回2死満塁の打席で、二遊間をしぶとく破るサヨナラ打。殊勲の直後は涙ぐみ、「絶対に回ってくると思っていた。何とか前に飛ばそうと思った」と振り返った。 1試合でも落とせば連覇が厳しくなる状況で底力を発揮した。しかし中嶋監督は「やっと始まりぐらいの感じ。終わりじゃない」と気を引き締める。残り6試合。逆転優勝への道筋が見えてきた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9回、同点適時打を放つオリックスの吉田正=19日、京セラドーム 〔写真説明〕延長10回、サヨナラ適時打を放ち、喜ぶオリックスの宗=19日、京セラドーム