エースは同じ失敗を繰り返さない。中日の大野雄が、2日に黒星を喫したヤクルト打線を7回零封。五回にサンタナに許した単打のみに抑え、三塁を踏ませない好投で雪辱した。「首位相手なので抑えるのは大変」。そう笑いながら汗を拭った。 気持ちが入り過ぎたか、立ち上がりは荒れ気味で三回までに63球を要した。三回に4点の援護を受けてからは危なげなく、「点を取ってもらって気持ちを切り替えられた」。 55本塁打の村上との対戦は「抑えないと勝利はないと思い、慎重に慎重に投げた」。二回は内外角に散らし、最後は膝元への変化球で空振り三振。後の2打席も捕手のリード通りに制球。七回は力のない一ゴロに抑え、2週間前に50号を許した相手に天を仰がせた。 チームはヤクルト戦の勝ち越しを決めた。投手主将の大野雄は「自信にしていいが、大きく負け越している相手(DeNA)もある。何とか一つでも取り返せれば」。最下位に沈む中、意地を強調した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ヤクルトに勝ち、喜ぶ中日ナイン=16日、バンテリンドーム