米ニューヨーク州レークプラシッドで14日に行われたフィギュアスケートのUSインターナショナル・クラシック男子フリーで、17歳のイリア・マリニン(米国)がクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を世界で初めて成功させた。長い脚で前向きに踏み切り、しなやかに、高く舞い上がった。着氷をこらえて出来栄え点(GOE)は1.00点の加点が付いた。  米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、米国協会を通じて「とてもいい感触だった。3月か4月ごろ、技術に取り組んで磨きをかけ始めた」と語った。4回転半は羽生結弦さんが北京五輪の男子フリーで挑み、回転不足で転倒した大技。マリニンは「刺激を受けたのは間違いない」と述べた。  両親はウズベキスタンの元選手で、母のタチアナさんは四大陸選手権やグランプリ・ファイナルで優勝経験がある。マリニンは北京五輪代表を逃したものの、1月の全米選手権で2位と躍進。4月の世界ジュニア選手権では圧勝した。  練習で4回転半を降りた動画は、これまでにSNSで公開されていた。7月のアイスショーで共演した世界選手権覇者の宇野昌磨(トヨタ自動車)は、練習でマリニンが跳ぶ4回転半を見て、「すごく安定していた。試合でたくさん取り入れてくるだろうなという完成度だった」と話していた。  羽生さんは7月にプロ転向を表明し、北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)は学業のため今季は欠場。シーズン早々に世界を驚かせた新星は、宇野や北京五輪銀の鍵山優真(オリエンタルバイオ)らと新たな時代をリードする存在になりそうだ。 (時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕フィギュアスケート世界選手権の男子フリーで演技するマリニン=3月26日、フランス・モンペリエ(EPA時事)
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 マリニン、世界初の4回転半=羽生さんからも刺激―フィギュア