11月20日に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会に臨む日本代表で、故障者が続出している。W杯メンバー発表前最後となるドイツ遠征(19~27日)を控え、DF板倉(ボルシアMG)とFW浅野(ボーフム)が相次いで膝を負傷。15日のドイツ遠征メンバー発表前に、森保監督にとっては頭の痛い事態となった。 両選手とも今季開幕から先発の座をつかみ、幸先良くスタートしたばかりのアクシデント。ともに靱帯(じんたい)を損傷し、W杯本番をにらんで手術を回避したものの、板倉の復帰は早くても11月。浅野も数週間かかる見通しだ。 カタール大会は欧州のシーズン真っただ中に開催されるため、今後もけが人が出る可能性はある。欧州各国リーグは11月13日まで行われ、本番直前の準備期間は通例より短い。所属クラブで試合に出て高いパフォーマンスを維持しながら、けがのリスクにも気を配らないといけない。 板倉は今年、冨安(アーセナル)が不在の間に存在感を示し、浅野はけがが続くエース大迫(神戸)の代役として森保監督が起用してきた。その大迫も再び戦線を離脱中。万全の状態で本番に臨めるか不透明だ。 ドイツ遠征では米国、エクアドルのW杯出場国と対戦。主力で挑み本番への総仕上げとするはずだったが、強化プランは変更を余儀なくされる。残り2カ月。チームの成熟を図りながら、最良の組み合わせを探る作業は、継続せざるを得ないだろう。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕キリン杯のガーナ戦後半、競り合う板倉(手前右)=6月10日、ノエビアスタジアム神戸 〔写真説明〕パラグアイ戦前半、先制ゴールを決めて得意のポーズで喜ぶ浅野=6月2日、札幌ドーム