ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会を翌年に控え、日本ラグビー協会が新体制をスタートさせた。6月の役員改選で、新会長に元日本代表FWの土田雅人氏(59)が就任。協会理事として7年間、代表強化などに尽力してきた土田氏は「W杯で4強を目指す」と力強く宣言した。 1980年代に全国大学選手権3連覇を果たした同大の黄金期に、元日本代表監督の故平尾誠二氏とともに活躍。卒業後はサントリーでプレーし、指導者としてもチームを日本一に導いた。ラグビー界のかつての隆盛、その後の長い低迷をよく知り、そして2019年W杯日本大会の成功も見てきた。W杯の日本再誘致を大きな目標に掲げ、「早く組織委員会をつくって、有識者を含めて検討する」と意気込む。 まず改善に取り組むのが、日本協会と国内最高峰リーグワンとの関係性。リーグは独立した組織で運営されているが、「壁をなくすのが私の仕事」。協会とリーグによる会議を頻繁に開き、選手強化、代表活動などで連携を深めようとしている。 レフェリーの技術向上もテーマ。代表チームがテストマッチで結果を残すためには、国際的な判定基準に選手が慣れることが重要。そのために海外のトップレフェリーをリーグに招き、日本代表のコーチ陣を招いて勉強会を開くなどの案を検討している。「リーグだけでできないことを、日本協会が協力してやっていく」と言葉に力を込める。 サントリーホールディングス役員と二足のわらじを履く。経営者としての視点を期待されたことも、会長に抜てきされた理由の一つだ。競技人口の減少にどう対応し、いかに人気低下を防ぐか。「先頭に立って世界を代表する協会をつくる」。自らの経験を最大限に生かし、改革にエネルギーを注ぐ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える日本ラグビー協会の土田雅人会長=8月24日、東京都港区