通算12アンダーで終え、セキ・ユウティンは4組後ろの最終組で回る吉田を待った。バナナで栄養補給し、いざプレーオフ。それでも18番(パー4)の1ホール目は「胸がドキドキ。頭は真っ白」で、ティーショットが右の林へ。だが、ここからがしぶとかった。 フェアウエーに出し、3打目をピンそば3メートルに。パーパットは外れたが吉田もボギー。2ホール目は第2打を4メートルにつけ、吉田がバーディーを逃した後、きっちりと沈めた。 正規のバックナインでも粘り強さが光った。13番のイーグルで単独首位に躍り出ながら続く2ホールでスコアを三つ落とす。「もう無理かな…。でも、まだ3ホールある」。16、17番で連続バーディー。これが効いた。 中国のツアーでは18歳で賞金女王になり「私は天才なのかな、とも思った」。しかし、日本ツアーに本格参戦した2017年は30試合以上に出て過半数が予選落ち。「自分一人で何でもやれる」という姿勢を改めた。 24歳の今は「謙虚さ」がキーワード。優勝を決め、程なく目頭を押さえた。「私を支えてくれている人たちに感謝したい」。涙の理由を、そう説明した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕プレーオフ2ホール目でウイニングパットを沈め、拳を握りしめるセキ・ユウティン=4日、千葉・ゴルフ5カントリーオークビレッヂ