正月恒例の箱根駅伝で総合優勝から長らく遠ざかっている明大の競走部が今年、活動支援を目的とする一般社団法人「明大アスレチックマネジメント」を設立し、運営を始めた。スポンサー募集やファンクラブ運営などの事業を通じて資金を集め、部員の負担軽減やトレーナーらスタッフの充実に生かす計画。共感し応援してもらえるパートナーを幅広く求め、古豪復活の足掛かりとする。 8月までにスポンサーは計4社となり、ファンクラブには115人が入会。うち約8割が年会費1万円のゴールド会員という。競走部の園原健弘監督は「日本の陸上界を支えてきた歴史を知っているオールドファンや、それを伝え聞いた方がファンになってくれている」と感謝する。合宿における部員の自己負担額を半減できるようになるなど、競技環境の改善につながっている。 1907年創部の明大競走部は20年の第1回箱根駅伝に出場した全4校(他は東京高等師範学校=現筑波大、早大、慶大)の一角。通算7度の総合優勝を誇るが、49年を最後に70年以上も頂点に届いていない。スポーツを経営戦略の一環に位置付ける大学が多い近年は、レース以前に高校の有望選手獲得をめぐる競争が激化。活動資金が潤沢ではないOB会に頼るだけでは、好成績に結びつきにくい現状があった。 過去には部員が寮費を払えずスタッフが肩代わりすることもあったという。かつて箱根駅伝で活躍したOBの鎧坂哲哉(旭化成)は「(学生時代は)しっかりした食事を取るのに負担を感じるところはあった。ストレスフリーな状態で競技できるのはありがたいこと」と実感を込める。社団法人の理事も務める園原監督は、秋からの駅伝シーズンを前に「ここからスポンサーやファンの方が増えてくれるかな」と期待を寄せている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕今年1月の箱根駅伝、復路の平塚中継所でたすきをつなぐ明大の選手=1月3日、神奈川県平塚市 〔写真説明〕「明大アスレチックマネジメント」のファンミーティングで発言する競走部OBの鎧坂哲哉(中央)=5月28日、東京都千代田区