日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は30日、東京都内で開いた定例記者会見で、地元住民の支持率が低いことを理由に札幌市と進める2030年冬季五輪の招致活動から撤退する可能性について問われ、「そういう意見は理事会では全くなく、私も持っていない」と否定した。「開催趣旨をご理解いただけるように最後まで全力を尽くす」と語った。 東京五輪・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者が受託収賄容疑で今月逮捕され、この汚職事件が札幌五輪招致に与える影響が懸念されている。山下会長は「透明性を確保して、同じことを繰り返さないことだ」と強調。一方で、再発防止に向けた具体策への言及はなかった。 山下会長は招致への機運醸成が進んでいないとの認識を示し、「丁寧に説明して理解していただく。それ以外に特効薬みたいなものはないのではないか」と話した。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕定例記者会見で発言する日本オリンピック委員会の山下泰裕会長=30日、東京都新宿区