鹿島は前半、チャンスらしいチャンスをつくれなかった。湘南の素早い攻守の切り替えに苦労し、得意のロングボールでもリズムを変えられない。逆に高い位置を取った両サイドバックの裏を突かれ、守勢に回る時間が長かった。 「敵陣に入ったらもっと積極的に。全員でペースを上げよう」。岩政監督にそう送り出された後半、ワンチャンスで流れを変えた。開始からの3人交代で前線に和泉、エベラウドを投入。14分、和泉が右サイドで泥臭くボールをキープし、エベラウドへ。DFを引き付けながら、中盤にポジションを上げた三竿のサポートを受けて深く進出した樋口にスルーパス。折り返しを左足で決め切った。 得意の先行逃げ切りを図ったが、守備のもろさが出た。29分にCKから追い付かれる。終盤の猛攻も実らず、引き分けに終わった。 バイラー前監督から指揮官が代わって2戦目。この2週間、岩政監督は攻守両面で修正し、「全体がまるっとしてきた」。前節の福岡戦に勝ち、チームの統一感に手応えをつかんでいたが、最終ラインの不安は解消されず。次戦は敵地で川崎戦。優勝争いに踏みとどまれるか正念場となる。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕湘南と引き分けた鹿島イレブン=21日、レモンS