ソフトバンクの周東は、一塁へ走りながら祈った。「越えてくれ。フェンスじゃなくて、外野の頭を」。打球は右翼テラス席に届き、本人も驚く今季2本目のサヨナラ本塁打となった。 九回1死で支配下登録されたばかりの宇田川と対戦。初球の153キロに振り負けなかった。昨季までの通算に並ぶ今季5号。長打が増えた要因を「トレーニングが継続してできて、いい状態で打席に立てている」と自己分析。夏場に食欲も落ちなくなった。 自慢の快足も存分に発揮。一回に内野安打で出ると、二盗を決めて先制のホームイン。二回2死満塁の中堅守備では、頭を越えそうな打球を好捕してチームを救った。 2020年は13試合連続盗塁のプロ野球記録もマークしてリーグ優勝に貢献。右肩のけがを経て、再び1番に戻ってきた。周東の足で奪った得点も多く、「どうやって塁に出るか、前の塁を狙うかを考えている」。最大の武器に加えて長打力も備えつつあり、存在感は増している。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕9回、サヨナラ本塁打を放ち祝福されるソフトバンクの周東=13日、ペイペイドーム