広島は後半戦に入って先発投手の早い回での降板が続き、救援陣の負担が大きくなっていた。そんな中で「何とか長いイニングを投げよう」と心に誓った森下が、ヤクルトとのカード初戦で堂々の今季初完封。チームの苦境を救う快投で9勝目を飾った。 序盤からテンポ良く打ち取り、40号本塁打に王手をかける村上の前に走者を出さなかった。九回2死となって、3安打していた村上を迎えた。1ボール2ストライクと追い込んだ後、この日最速の152キロは高めに外れたが、5球目のカットボールで狙い通りの空振り三振を奪った。右拳をぐっと握り、「本当に良い曲がり方をしてくれた。4本目を打たれなくてよかった」。 疲れがたまってくる夏場。そこに床田、アンダーソンの離脱が重なった。後半戦からカード頭を任される森下は「苦しいチーム状況の時に何とか自分の力で勝てたら」と言葉に自覚がにじむ。 完封は昨年4月以来。「本当に久しぶり」と喜びながら、次を見据えて「9回を投げられるのが一番いい。しっかり準備していきたい」と頼もしく言った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ヤクルトを完封し、声援に応える広島の森下=9日、マツダスタジアム