今季の日本ハムは多くの若手が1軍の舞台を経験している。「プロ初」を記録する選手もしばしば。この日は2年目捕手の古川裕がプロ初打点をマークした。 二回2死三塁。野村が併殺打に倒れ、好機がしぼんだ直後の打席だった。初球の変化球をシャープにはじき返して中前へ。「何としても先制点が欲しかったので、食らい付いた」。4日のソフトバンク戦では延長十回にサヨナラのチャンスで代打起用されたが凡退。その悔しさも晴らす一打になった。 非凡な打撃を期待され、上武大から昨年ドラフト3位で入団。今年4月にプロ初出場を含む3試合に出たが、すぐに2軍落ち。ファームにいた期間は担当スカウトから「辛抱強くやれ。負けるなよ」と連絡をもらって力にした。再昇格後の7月30日にプロ初安打を放った。 若手の「初もの」が大好物の新庄監督もベンチで笑顔だった。この一打をきっかけに、正捕手争いに割って入りたい。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕2回、先制の適時打を放つ日本ハムの古川裕=9日、札幌ドーム