これが首位を走る今の西武の勢いだろう。前夜はベテランの中村が貫禄のアーチで決め、この日は伏兵の一発で2試合連続のサヨナラ勝ち。殊勲者となった川越は、お立ち台の上で「最高でーす」と叫び、満面の笑みを浮かべた。 延長十回に先頭で、1ボールからの2球目の浮いた直球を捉えた。「迷わないというか、いけると思ったら打ちにいこうと思った。思い切って振れた」。高く上がった打球は右翼席の最前列に飛び込み、プロ初のサヨナラ打となった。 3試合ぶりのスタメンで9番に入った。外野の定位置争いは混戦で、控えに回ることも多いが、「出たら、考え過ぎずにしっかり結果を残す。一生懸命やるだけ」と言う。チャンスをつかもうとするがむしゃらな姿勢で、最高の結果につなげた。 チームは一回にいきなり3点を先制されたが、1点ずつ返し、八回に追い付いた。「きのう良い勝ち方をしていた。きょうも(サヨナラが)あるだろうなという雰囲気はあった」と川越。日替わりでヒーローが生まれて連勝を4に伸ばし、貯金は今季最多の10となった。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕延長10回、サヨナラのソロ本塁打を放ち、祝福される西武の川越(右手前)=5日、ベルーナドーム