夏の盛りに調子を一気に上げてきた。巨人の中田が、先制打を含む2試合連続の複数安打。一塁守備でも好プレーを見せ、「自分ができることをやり続けるだけ」。苦境のチームを救った。  糸を引くようなライナーだった。二回無死一、二塁から外角直球をたたき、右中間へ適時二塁打。「しっかり捉えられた。先制できてよかった」。前日1得点の打線を勢いづけ、この回計5得点。三回には好守で若い山崎伊をもり立てた。  前半戦は不振が続き、2度の2軍落ち。「悔しいけど、無駄な時間はない」との思いで修正に励んだ。通常より重いバットで練習したり、長嶋茂雄元監督の助言でバットを短く持ったり。7月以降は1軍で打率3割9分7厘と波に乗っている。  チームは7月にコロナ禍に見舞われ、試合中止が続いた。自身も隔離療養となり、「早く野球をしたいという気持ちを抑え、家の中でできることをやった」と言う。まだチーム状態に不安が残る中、前半戦から続く連敗を4で止め、後半戦初勝利に貢献。原監督が「これを継続してくれると厚みが出る」と評した通り、33歳が頼もしい。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕3回、安打を放つ巨人の中田=4日、東京ドーム 〔写真説明〕7回、ソロ本塁打の丸(右)を迎える巨人の中田=4日、東京ドーム
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 苦境はねのける「夏男」=中田、攻守に頼もしく―プロ野球・巨人