右に左に次々とアーチを架け、ヤクルトの村上が偉業を達成した。7月31日の阪神戦第3打席から、5打席連続本塁打。「史上初なんだって、うれしいなと思った」。慣れたお立ち台でも、少し照れくさそうな笑顔でファンの声援に応えた。 打てる球を確実に捉える技術とパワー。さらに勝負強さや集中力も結集しないとなし得ない離れ業だ。この日の第1打席は一回2死から山田のソロで先制した直後。真ん中に入った109キロをじっくり待って引っ張った。「思い切ってスイングした」と振り返る手応えは抜群。すぐに走る必要はなかった。 三回1死一塁では、外角の浮いたチェンジアップを仕留め、左中間席へ39号。六回は二塁打で記録は途切れたが、48試合を残して、すでに本塁打王に輝いた昨季に並んだ。 広角に打ち分けたり、内角球をさばいたりと柔軟さも光る。この日の2本目は「体勢を崩された」と言うにもかかわらず放り込んだ。ますます死角がなくなってきている印象だ。 まだ22歳の大器。日本選手では2002年の松井秀喜(巨人)以来となるシーズン50本塁打も現実味を帯びてきた。また6連発に挑戦する意欲を問われると「あります」ときっぱり。今の村上なら大言には聞こえない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕試合後、観客席にあいさつするヤクルトの村上=2日、神宮