夢の祭典を楽しんだ後、手荒い祝福が待っていた。全パの清宮(日本ハム)のオールスター戦初安打は、公式戦で打ったことのないサヨナラ本塁打となった。パ・リーグの選手では、1974年の高井保弘(阪急)以来2人目。「自分が一番びっくり。最高の思い出」。第1戦の最優秀選手に輝いた。
 球宴らしい直球勝負に打ち勝った。同点の九回2死で打席に入り、その5球目。「本塁打を狙った。森下さんが直球を投げてくれて、しっかりフルスイングできた」と自賛。左中間テラス席に放り込み、「ふわふわした」と夢見心地でダイヤモンドを一周した。
 忙しい一日だった。本塁打競争では柳田の打撃投手を務め、「あれが一番緊張した」と笑顔。27日の決勝でも投手に指名された。試合中にはファンに話題の「きつねダンス」をチアリーダーと共に披露。最後にグラウンドの中央でヒーローとなった。
 高校時代に甲子園を沸かせ、鳴り物入りで入団して5年目。苦しい時期も過ごしたが、今季は自身初の2桁本塁打を放つなど成長の跡も見える。新庄監督へ向けては「やったぜ」と一言。「スターの中でやれる幸せをかみしめながら、次もいいプレーを」。大観衆を魅了した経験は、23歳の貴重な糧となる。 (了)
【時事通信社】
〔写真説明〕9回、サヨナラ本塁打を放ち祝福される全パの清宮(日本ハム、中央)=26日、ペイペイドーム
〔写真説明〕チアガールとともに「きつねダンス」を踊る全パの清宮(左、日本ハム)=26日、ペイペイドーム
〔写真説明〕9回、サヨナラのソロ本塁打を放つ全パの清宮(日本ハム)=26日、ペイペイドーム
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 初安打がサヨナラ弾=清宮、夢見心地の一日―プロ野球オールスター