5日目までに4敗しながらも巻き返し、大関陥落は免れた。飾らない正代らしく、率直な思いが口をつく。「部屋に帰っても、ずっと相撲を気にして、どこか休まらない感じだった。すごくほっとしている」
 碧山との一番。立ち合いで押し込めなかったが、突きをはね上げるようにして前進。相手が引いたところを倒れ込みながら押し出した。
 6日目から7連勝と、地力の一端を示した格好ではある。ただ、「調子に左右されずに、きっちり自分の相撲を取り切れるようにしたい」。長く試行錯誤してきた立ち合いを含め、本人は課題を痛切に自覚している。
 八角理事長(元横綱北勝海)も「初日から、これぐらいの気持ちを見せてほしい」と注文を付けた。2020年秋場所後に大関に昇進して以降、2桁白星を挙げたのは21年初場所だけ。看板力士としての務めを果たしてきたとは言い難い。
 今後迎える上位戦に向け、「ここで気を抜かず、しっかり今場所を締めくくりたい」と正代。最低限の目標をクリアした後の姿が問われている。 (了)
【時事通信社】
〔写真説明〕正代(奥)は碧山を押し出しで下す=21日、愛知・ドルフィンズアリーナ
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 正代、7連勝で陥落阻止=今後問われる安定感―大相撲名古屋場所