大相撲名古屋場所8日目の17日、結びの照ノ富士―若元春戦は、行司がかけた「まわし待った」で止まらない異例の一番となった。 約2分の攻防の末、左四つで組んでこう着するうちに若元春のまわしが緩んだ。行司の式守伊之助の「待った」で照ノ富士が力を抜いたが、「全然分からなかった」という若元春は勝負を続け、横綱を寄り切る格好に。館内は騒然となった。 土俵上では佐渡ケ嶽審判長(元関脇琴ノ若)らが対応を協議。その間に若元春はまわしを締め直した。前代未聞の中断を経て、同審判長が確認しながら、「待った」の直前の体勢に戻して再開。照ノ富士の下手投げで決着した。 若元春は「頭の中が真っ白で、あまり覚えていない」。八角理事長(元横綱北勝海)は「若元春は自分で勝機を逃した。最初からきっちりまわしを締めないといけない」と苦言を呈した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕照ノ富士(左)と若元春の一番は「まわし待った」で中断=17日、愛知・ドルフィンズアリーナ