貴景勝の意地が垣間見えた。頭で鋭く当たり、琴ノ若の差し手をおっつけて前進。右から強烈な張り手を見舞うと、そのまま難なく押し出した。「あまり覚えていない」。淡々と振り返ったが、秘めた思いはあっただろう。土俵を割った相手の胸を、ぽんと一押しした。  埼玉栄高の1学年後輩でもある琴ノ若は2日目には御嶽海を倒し、大関戦7連勝中だった。5月の夏場所では初日から大関を3連破した相手に対し、「きょうはきょうで一生懸命いくだけ」。集中力を研ぎ澄まし、看板力士の面目を保った。  御嶽海、正代は大関かど番で苦しみ、自身も先場所は千秋楽でようやく勝ち越し。番付の重みが問われる状況が続いている。「昇進した頃は余裕があったが、今は必死にいかなければ勝てない。苦しいだろう」とは八角理事長(元横綱北勝海)。4年目となる大関の心境をおもんぱかった。  勢いに乗る若手の挑戦を退け、白星を先行させた。「また、あしたも頑張る」と短く決意を示した貴景勝。首にけがを抱えるなど万全ではない中でも、確かな結果が求められている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕琴ノ若(右)を攻める貴景勝=12日、愛知・ドルフィンズアリーナ
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 張り手強烈、貴景勝に意地=大関戦8連勝は許さず―大相撲名古屋場所