6月10日のガーナ戦。日本の3トップの右に入った堂安律(PSVアイントホーフェン)と中盤の右を担った久保建英(レアル・マドリード)は、独特のリズムを生んだ。左利き同士のコンビが随所で巧みなプレーを披露した。 昨夏の東京五輪でも一緒にプレーした2人。前半29分の先制点は互いの良さが詰まっていた。右サイドに張った久保が中に入った堂安に横パス。追い越して駆け上がった山根(川崎)に堂安がつなげた。利き足が同じなら、出し手と受け手の違和感は格段に減る。対角で体の向きを変えずにやりとりできるからだ。 堂安は3月の活動は招集外となり、久保はガーナ戦でA代表初ゴールを決めたとはいえ、自身のポジションを確立できていない。だが、両者の連係は得点が必要な状況で切り札になる可能性がある。「(久保が)出したいところにいてくれる感覚がある」とは堂安。ワールドカップ(W杯)本番に向け、サバイバルの激化を期待させる。 思考や判断を共有できているから、同時にピッチに立った回数が少なくても瞬時に合わせられる。久保は「やりたいこと、自分だったらこうしてほしいということをやっているので分かりやすい」。チームとしては伊東(ゲンク)、三笘(ブライトン)の突破に頼った攻撃のみでは厳しいことが浮き彫りに。課題を解決し得る存在となれるか。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕ガーナ戦の前半、ドリブルする久保=6月10日、兵庫・ノエビアスタジアム神戸