3年前の首位打者に、雰囲気が戻りつつある。西武の森が一回に2試合連続となる先制打を放ち、三回にも適時打。内容の濃い序盤の2安打で、チームを勢いづけた。 一回無死二、三塁では、初球の浮いた変化球を捉え、三遊間を抜く2点打。「逆らわずにうまく打つことができた」。三回2死三塁では粘った後の7球目、外角への落ちる球に体勢を崩されながらも「うまく拾えた」。腕を伸ばして右中間二塁打とした。 開幕から不振に陥り、4月2日のロッテ戦では不用意な行動で右手人さし指を骨折。復帰まで1カ月半以上かかった。離脱中に、新人捕手の古賀らが奮闘。復帰後もスタメンを譲る試合もあり、「今、正捕手と言える立場ではない。もう一度、奪いにいくという気持ち」と自らを奮い立たせる。 リーグ戦再開前の練習日。ブルペンで打席に立って投手の球筋を確認するなど、みっちりと打撃練習をしたのも、その気持ちの表れだった。もどかしい日々の中で努力を続けてきた好打者が、浮上の時を迎えている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、先制2点適時打を放つ西武の森=29日、ベルーナドーム