快音を響かせた打球は、勢いよく伸びてスタンドに飛び込んだ。ヤクルトの正捕手中村が、一回に今季1号の3点本塁打。豪快な一発で2位巨人の出はなをくじいた。 1点を先制し、なおも2死一、二塁の好機。菅野の初球を捉えた。「すごくいい投手なので、1点でも多くという気持ちで打席に入った」。低めの変化球をたたいて左中間席へ。さらに三回にも左中間に2ランを放ち、差を広げた。 昨年の日本シリーズでMVPに輝くなど貢献し、今季からは古田敦也氏が現役時代に着けた番号の「27」を背負っている。古田氏は理論派捕手としてリード面もさることながら、シーズン30本塁打を放つなど打撃も非凡で、中村自身も打てる捕手であることに「こだわってやっている」との自負がある。 22日の中日戦では、二塁打2本で5打点と活躍した。偉大な背番号を受け継ぎ、進化を求める32歳。捕手のバットも、首位を独走するヤクルト打線の好調の要因だ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、3ランを放つヤクルトの中村=24日、神宮 〔写真説明〕3回、2ランを放つヤクルトの中村=24日、神宮