東京五輪・パラリンピック組織委員会は21日、1年延期となって昨夏開催された大会の経費が最終的に総額1兆4238億円になったと発表した。業者との契約を見直すなどして、大会終了後の原状回復工事の途中だった昨年12月に示した見通しから292億円減少した。経費分担は組織委が6404億円、東京都が5965億円、国が1869億円。 新型コロナウイルスの影響により原則無観客で開催し、大会関係者の数も削減したことで、輸送費や警備費、飲食提供費などが減った。大会関係費は昨年12月の見通しより175億円減少し、コロナ対策関連費も127億円減った。 組織委の担当者は「あらゆる契約の見直しで積み上げた。契約社と議論して、グレードダウンをお願いする交渉を重ねた」と説明した。昨年12月時点に比べて、支出は都が283億円減、国は70億円減となった。 大会経費は2013年の招致時に7340億円と説明されたが、全体像を示したものではなく、組織委は16年12月に予備費を除いて1兆5000億円になると発表した。会計検査院がまとめた他の関連経費を合わせると、大会に費やしたコストは2兆~3兆円規模になるとの見方もある。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事会であいさつする橋本聖子会長(右から2人目)。左からJOCの山下泰裕会長、組織委の武藤敏郎事務総長、右端は東京都の小池百合子知事=21日午後、東京都庁(代表撮影)