ソフトバンクの和田が「未知の領域」と捉える20年目の今季。同じ1980年度生まれの「松坂世代」は皆引退し、チームでは最年長。そんな左腕が新たな勲章を手にした。 41歳とは思えぬ好投だった。伸びのある直球が次々と決まり、六回1死でソロを浴びるまで走者を許さぬ「完全投球」。奪った8三振のうち、七つが直球。6回1失点で日米通算150勝の節目に到達した。 奪三振でも大きな記録を手にした。二回に島内から見逃し三振を奪ったところで通算1757奪三振となり、南海時代のエース杉浦忠を抜いて球団記録を更新。「1年目から使っていただいた王会長をはじめ、たくさんの監督やコーチのおかげで積み上げることができた」 体と向き合う時間は年々増える。「衰えるのは仕方ない。それをどれだけ抑えられるかは自分次第」。走り込みも欠かさない。最近は登板数日前から食事内容に注意しパフォーマンスの維持に努める。 この日は母校の島根・浜田高の同級生を球場に招待した。「絶対に(150勝を)決めてやるという気持ちだった。甲子園で一緒に戦った仲間の前で良い姿を見せられて、本当によかった」。5月22日以来の2勝目は意義深い一勝になった。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕日米通算150勝を達成したソフトバンクの和田=19日、ペイペイドーム