最後の近鉄戦士が起用に応えた。ヤクルトの坂口がソフトバンクの千賀から先制打を放ち、2年ぶりの打点を挙げた。 速球に振り負けなかった。一回2死から死球と村上の安打で一、二塁となり打席へ。初球の155キロを捉え、鋭いライナーで中前へはじき返した。「つないでくれたので思い切って打ちにいった。先制することができてよかった」と一息ついた。 2003年に近鉄へ入団し、オリックスとの合併によって消滅するまで2シーズン所属。戦友たちはユニホームを脱ぎ、近鉄でプレーした現役選手は坂口一人になった。 1軍に今季初昇格した9日には、かつての本拠地京セラドーム大阪でのオリックス戦に6番左翼で出場。先制点を呼び込む四球を選び、二塁打も放った。高津監督は「役割を理解して、ベンチでもよく声を出す。こういうのが先輩のあるべき姿」と賛辞を惜しまない。 若手が台頭し、リーグ首位をひた走るヤクルト。前日には42歳の石川が勝利投手になった。ベテランの力も欠かせない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、先制適時打を放つヤクルトの坂口=10日、ペイペイドーム