阪神のガンケルは、5月は先発の役割を果たす好投を見せながら、援護がなく白星がつかなかった。この日も打線は三回までに7安打しながら無得点。四回も無死二、三塁から長坂の浅い中飛で本塁を狙った糸原が憤死した。好機がしぼみかけた場面で打席が回ってきた。 2ボールからの3球目。真ん中に入った直球を見逃さなかった。鋭いライナーで前進守備の右中間を割る二塁打。自ら先制点をたたき出した。「投手の出塁はチームにいい流れをもたらすことができる。攻撃面でも貢献できてよかった」。二、六回にも安打を放って3安打をマークした。 本業の投球も七回途中1失点。「低めに制球することができた」。スライダーやスプリットを振らせて五回までは1安打投球。六回2死満塁では森を内角速球で三ゴロに仕留めた。 矢野監督は「投球に打撃に。走者が出ても点が取れない中、見せてくれた」。ガンケルの活躍を手放しでたたえた。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕4回、先制の適時二塁打を放つ阪神のガンケル=2日、甲子園