復調への強い決意を、大きな放物線に込めた。巨人の岡本和が、実に10試合ぶりの一発。「何とかつなごうと打席に入った。先制点になってくれてよかった」。自身とチームを景気付けた。 乾いた打球音が響いた瞬間、球場も沸いた。四回無死一塁。今季好調の山岡が投じた初球のカットボールを捉え、バックスクリーンを直撃する特大の先制2ラン。「チャンスで打ち、チームに貢献しないと」。胸に刻んだ自身の言葉を体現した。 好調だった4月から一転、今月は試合前時点で打率1割9分、2本塁打と不振に陥った。一時は首位だったチームも下降線。「調子うんぬんではなく、その日にやるべきことをやりたい」。2年連続で本塁打と打点の2冠に輝いた25歳にとって、ようやくの面目躍如と言えた。 二回1死一、二塁の守りでは、難しい打球を好捕して併殺に。攻守に集中力が増してきた。「そのうち主役が暴れるでしょう」と腰を据えていたのは原監督。セ、パの熱い戦いが幕を開けた交流戦初戦で、主砲が心機一転のスタートを切った。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕4回、先制2ランを放つ巨人の岡本和=24日、東京ドーム 〔写真説明〕4回、先制2ランを放ちベンチ前で祝福される巨人の岡本和(右)=24日、東京ドーム