今季4度の零封負けのうち、3度を神宮で喫しているヤクルト。0―1で迎えた九回裏。敗戦ムードが本拠地を漂ったが、打線が意地を見せた。 山田の四球と中村の中前打で1死一、三塁。40歳のベテラン青木は、「とにかくつないでいくこと。そういう気持ちで打席に入った」。低めの変化球に巧みにバットの芯を合わせ、右中間へ同点の二塁打を運んだ。さらにオスナが犠飛。ワンチャンスを鮮やかに生かし切った。 ビッグイニングよりも、1点を大事に取りにいく野球は、高津監督がチームに求めるものの一つだ。中村の単打で一塁から一気に三塁を陥れ、チャンスを広げた山田の走塁も見事。オスナの犠飛も、ロースコアでこそ価値が増す仕事だ。 着実につないでもぎ取った2得点。指揮官は「打線も投手もそう。次に次に、何とかしようという積極的な気持ちでグラウンドに立っている」と選手をたたえた。 理想の形で逆転サヨナラ勝ちし、引き分けを挟んで3連勝。青木は「すごく粘れている気がする。こうやってホームで勝てるようになると、より勢いづく」と手応えを口にした。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕阪神にサヨナラ勝ちし、喜ぶヤクルトのオスナ(左)と青木=17日、神宮