川崎にとって、再出発の一戦だった。J1王者として臨んだACLでは日本勢で唯一の1次リーグ敗退。帰国後最初のリーグ戦で「全員がこの試合の大切さを分かっていた」と家長。開始からテンポの良いパス回しで攻め込んだ。 脇坂が全2得点に絡んだ。前半14分、家長とのパス交換でゴール前右に進入し、豪快に突き刺して先制点。同32分にはピンポイントの右クロスをマルシーニョに送り、追加点を演出。「(ACLの)悔しい思いをぶつけられた」と胸を張った。 ACL出場中に鹿島に首位を明け渡した。16日間で6試合を戦う過酷な日程をこなしたマレーシアから1日夜に帰国。疲労も残っていたが、「そこを言い訳にはできない」と脇坂。2015年7月から負けなしの清水を、球際や攻守の切り替えなど基礎の部分で上回った。 1試合消化が多い鹿島とは勝ち点2差。ライバルが足踏みする間、背後にぴたりと迫った。鬼木監督は「結果もそうだが、内容も伴わないといけないゲーム。難しい状況でそういう姿を見せてくれた」。残された国内タイトル制覇に向け、心機一転で歩みを進める。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、ドリブルで攻め込む川崎の家長(手前)=7日、アイスタ