いきなり敵地を黙らせた。巨人の岡本和が、今季9号の先制2ランで3戦連発と勢いが止まらない。「つなぐ意識でコンパクトに振った結果が最高の形になった」。手に残る感触をかみしめた。 相手先発の東が落ち着く前に仕留めた。一回2死一塁。浮いた直球を振り抜き、強烈なライナーを左翼席へ突き刺した。「山崎伊が久しぶりの先発。援護できてよかった」。プロ2年目、23歳の先発投手を勇気づける一発だった。 今季に懸ける意気込みは強い。昨季チームは3位。自身は39本塁打、113打点で2年連続の2冠に輝いたが、「いくら自分が打っても、勝たないと面白くない」とこぼした。個人の喜びは勝利あってこそ。チーム第一との考えを示す4番に、原監督は「若大将から本当の大将の域に近づいている」とうなずく。 オフに今年の漢字を問われた際、「全てにおいて一番上になりたい」という思いを込めて「最」と記した。「絶対にリーグ優勝と日本一を目指してやっていく」。覇権奪還を誓う主砲が、打線をけん引している。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、先制2ランを放つ巨人の岡本和=28日、横浜 〔写真説明〕1回、先制2ランを放ち喜ぶ巨人の岡本和(右)=28日、横浜