車いすテニスで男子シングルス世界ランキング9位の小田凱人(東海理化)が28日、オンラインで記者会見し、国内最年少となる15歳11カ月でプロ転向を宣言した。「日本のパラスポーツを盛り上げ、障害のある子どもたちでも活躍できるような世の中をつくっていきたい。病気と闘う子どもたちのヒーロー的な存在になれるよう、頑張りたい」と決意を語った。 幼い頃はサッカーに親しんだが、9歳で左股関節に骨肉腫を患った。医師の勧めもあり、車いすテニスを始めたのはまだ5年前。熱心な練習と天性の身体能力がかみ合い、早くから才能が開花した。年代別の国際大会で優勝を重ね、国際テニス連盟(ITF)は昨年、車いす部門ジュニアの最優秀選手に選出。今年5月にポルトガルで行われる世界チームカップでは、第一人者の国枝慎吾(ユニクロ)とともに日本代表に名を連ねている。 武器は強力なショットで、中でもサーブに自信を持つ。今年1月に国枝と初めて対戦した際はストレートで敗れたものの、2セットともタイブレークの接戦だった。「国枝選手にもパワーショットが通用したかな。負けても学ぶことが多かった」と糧にしている。 当面の目標は、英国選手が持つ20歳1カ月での最年少世界ランキング1位の記録を更新すること。5月開幕の全仏オープンで四大大会デビューを果たす予定で、「(赤土の)クレーコートは得意」と心待ちにしている。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕オンラインの記者会見でプロ転向を宣言する車いすテニスの小田凱人=28日(本人提供)