日本ハムを今季初の連勝に導いたのは、走れる4番の松本剛だった。先制打を含む3安打1打点をマークし、「打席の中で割り切れている。思い切ってできた」。2盗塁を決めて足でも見せた。 一回1死二、三塁で、真ん中に入ってきた2球目の変化球を左前へ運ぶ先制打。今季3度目の4番起用に早速応え、「4番で気負うことはない。チャンスで回ってきたら気持ちが入る」。頼もしい言葉通りの打席だった。 新庄監督が選手に求めるのは「思い切ってやっていい。失敗を恐れるな」との姿勢だ。松本剛は、その教えで盗塁への意識が変わった。「盗塁は気持ちが大事。思い切ってスタートが切れる」 四回に右前打で出塁すると、次打者の場面で盗塁を決め、2点目のホームを踏んだ。六回にも2死から四球を選んで二盗に成功。「盗塁に関してはボスのおかげ」と笑った。 定位置をつかみ切れないまま、プロ11年目となった。今季は開幕4番を任せられると、打率、盗塁数でリーグトップ。「長打を打てるタイプではない。1本ずつ安打を積み重ねていきたい」。派手さはないが、4番として自分らしさを貫く。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕1回、日本ハムの松本剛が先制適時打を放つ=12日、ベルーナドーム